3月5日にBose(ボーズ)からイヤーカフ型のイヤホン「Bose Ultra Open Earbuds」が発売されました。
スペックを見ると、約4万という非常に高価格帯にもかかわらず、「Bose QuietComfort Ultra Earbuds」と同じくワイヤレス充電非対応。マルチポイントも非対応。
正直「は?」と思いつつも実際購入して使ってみると、ここ1〜2年で試した数十台の中で「1番好き!」と思えるものでした。
特にマルチポイント非対応なのにマルチポイントより便利なデバイスの切り替えは全イヤホンに採用して欲しいくらい革新的。
【更新2024.7.18】
Bose Ultra Open Earbudsついにマルチポイントに対応です これができると、いちいち接続解除しなくても、使いたいデバイス側から接続できます
この記事では、本当に「Bose Ultra Open Earbuds」に4万の価値があるか見極めていきたいと思います。
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製品概要
スペックはご覧の通り。公式ページもご参照ください。
ケース前面にBoseのロゴ、イヤホンは装着した際、耳の後ろ側にくる部分にBoseのロゴが印字されています。
装着すると、真後ろからよーく見ないとBoseのイヤホンとは認識できません。
ざっとまとめるとこんな感じ。
- バッテリー持ちは単体で7.5 時間、ケース込み27 時間※
- 急速充電は10分の充電で2時間再生
- 操作しやすい物理ボタンを搭載
- イマーシブオーディオ対応(どんな音源でも使える空間オーディオ)
- 防水規格IPX4(ケースはIPX1 ※サポートに問い合わせ確認)
- 全国送料無料 90 日間の返品・返金保証がついてて製品保証は 1 年間
※イマーシブオーディオを使った場合はイヤホン単体4.5時間
※イマーシブオーディオと自動音量調節のどちらかをオンに設定した場合、ケース込み最大16.5時間、両方の機能をオンに設定した場合はケース込み最大12時間使用できます。
- ワイヤレス充電は非対応
- 装着検出も非対応
- 低遅延モードも非対応
- マルチポイントも非対応(後ほど解説)
約4万なのに”非対応”多すぎ。
メルマガの10%OFFクーポンを利用
冒頭でお伝えの通り、公式ストアの定価は39,600円(税込)。高っ…。最近イヤホン高すぎてお財布が辛い…。
てことで、みなさん少しでも安く購入したいですよね。
僕の場合は2月19日に、メンバー限定のメルマガが届きました。
たまたまそこに10%OFFクーポンがありましたので、35,640円(税込・送料無料)で買うことができました。
そこそこの頻度でセール情報が届きますので、BoseファンはBoseのメルマガは登録しておくのがオススメ。
また「型落ちでも全然OK」という方は、ボーズにある工場再生品のページでお目当て商品を探すのも吉です。
例えば執筆時点で見ると「Bose QuietComfort Earbuds II」が40%近い割引率でかなりお安くなっています。
まぁこれについては不具合も多かったので、自分だったら安くてもEarbuds IIは買わないですが。
「Bose QuietComfort Ultra Earbuds」は不満点を潰してきているので、高くてもそちらの方が満足度が高いです。
同梱物
同梱物はイヤーカフ型のイヤホンなのでイヤーチップなどは入っておらず至ってシンプル。
てか、もう充電ケーブルってType-C to Cでいいと思うのは自分だけでしょうか? もしくは「環境負荷を考慮して同梱しない&安くする」のがいい。
今回もワイヤレス充電はできない
カナル型の『Bose QuietComfort Ultra Earbuds』も、ワイヤレス充電は非対応でした。
ただ、そちらはワイヤレス充電が使えるようになる7,150円の別売りケースが存在ます。
そのケースをつけることで、ワイヤレス充電を手に入れられます。
ケースの価格は安めのイヤホン1台買えちゃいますが…
サポートに問い合わせたところ、今回の「Bose Ultra Open Earbuds」には下記シリコンケースの販売はありますが、ワイヤレス充電ケースの発売予定は現状ないそうです。
ちなみに、「Bose Ultra Open Earbuds」のレビューの直前にアップした動画ではEarFunの1万円以下で買えるコスパ三兄弟イヤホンをレビューしました。
この動画に登場した5千円台で買える最安のEarFun Air2ですら、ワイヤレス充電に対応しています。
YouTube EarFun 高コスパイヤホン3台を徹底比較。みんなはどれを買う?
正直、BeatsやBoseがワイヤレス充電を頑なに搭載しないのは、どうしてなんでしょうか?ホントに謎です。
ブランド力で売れるから、あえてコストカットのために省いているのか。
はたまた搭載する開発力がないのか…。
AppleブランドのAirPods製品にワイヤレス充電を搭載していることを考えると、Apple傘下のbeatsは販売戦略上の差別化なのだろうと予想できます。
ですが、Bose製品にいたってはbeatsよりもさらに価格帯は上。約4万円ですからねぇ。
Technicsも、Sonyも、JBLも、DENONも同価格帯のハイエンドモデルにはどれもワイヤレス充電が搭載されています。
この次に登場するBose製品にはワイヤレス充電をぜひ搭載して欲しいものです。
動画のコメントを見る限り、必要ないという声があることももちろん認識していますが、これだけ多くのメーカーが当たり前に搭載している機能ですから、”もう手放せない”と言う方も多いはずです。
デザイン
僕はブラックを購入しました。ロゴはシルバー。充電ケースは硬質プラスチック。
イヤホンは磁石で保持されますので、蓋を開けて逆さにしても落ちない設計です。
(右)カナル型の『Bose QuietComfort Ultra Earbuds』と比べると小ぶりですね。
重量もBose Ultra Open Earbudsの方が少し軽いです。
深淵で押しやすい
ケースの背面側に少し寄っています
LEDのインジケーター
内側にも LED がついていることで、左右それぞれ充電できてるかを確認できるのはありがたい。
耳につけるとほぼ見えません
押下したことをはっきりと認識できる
装着感
耳に引っ掛けてクイッと後方に引っ張って手を放します。
音が耳にしっかり届く位置に調整すればOK。(斜め45度くらいがちょうどいい)めちゃくちゃ簡単!
僕は、耳にかけるタイプのイヤホンを長時間つけていると違和感が出てくることがあるのですが、これは耳への当たりも非常に少なくつけ心地は快適です。
耳が小さい人が装着しても、軽いつけ心地で何も装着していないと思うほどです。
僕は、5時間以上つけっぱなしにしていても全然痛くならなかったです。これ、何気に今まで使った中で一番好きかも!
あとは、なんと言ってもマスクやメガネと干渉しないのが最高 of 最高。
僕はマスク顔出しYouTuberなので、マスクは手放せないアイテム。非常に助かります!
もちろん、走ったり飛んだり逆立ちしても外れることはありませんでした。
ただし軽いつけ心地故、洋服を脱ぐ際に引っかかって外れることはありますので、ご注意ください。
片耳利用も可能で、左右に振られたステレオ音源は自動でモノラル再生に切り替わります。
ただし、寝ホンは痛いです。円柱状のパーツが耳の後ろ側に当たるため、寝ホンには向きません。
接続の切り替え
マルチポイント非対応で、デバイスの切り替え時は接続済みデバイスを切断しないと切り替えができない仕様です。
【更新2024.7.18】
Bose Ultra Open Earbudsついにマルチポイントに対応です これができると、いちいち接続解除しなくても、使いたいデバイス側から接続できます
「微妙だなぁ」と思った方も、安心してください!それを上回る便利な機能が!
イヤホンのボタンを長押ししている間中、ペアリング済みのデバイス名が順番にイヤホン内でループして読み上げられます
切り替えたい機器が読み上げられているタイミングで指を離せば、そのデバイスと接続されます。
つまりこれ、スマホに一度も触れることなく、イヤホン側からの操作だけで機器の切り替えができる神機能なんです!
さらに、ペアリング済みのデバイスがループで読み上げられるだけでなく、ペアリングモード(読み上げは”Ready to connect”です)も選択可能です。
ペアリングモード(”Ready to connect”)で指を離すと、まだペアリングしていない別の機器と新たにペアリングすることができるようになります。
これ、めちゃくちゃやばくないですか?
実はマルチポイントよりこっちのほうが便利なんじゃないか!? 完全にマルチポイントの上位互換なんじゃないか!?とすら思いました。
アプリのトップ画面から「ショートカット」→「機器の切り替え」を選択すれば、ボタン長押しでデバイスの切り替えが使えるようになります。
※ショートカットの割り振りはL、R各イヤホンに好きなものを1つ割り振ることができます。
アプリのトップ画面から「ソース」を選択すると、ペアリング済みのスマホやパソコンの名前が表示され、この画面のチェックボタンを操作することでもデバイスの切り替えが可能。
このデバイスの切り替えは、たくさんイヤホンを試してきた僕も初めての体験で、本当に便利過ぎて全イヤホンに搭載して欲しいと思ったほどです。
接続の切り替えの様子は、動画でより詳しく解説していますのであとは割愛。
YouTube『【3/5発売】Bose Ultra Open Earbuds 発売日購入レビュー!』7分24秒からチェック。
ボタンコントロール
先ほどお伝えしたデバイスの切り替えも素晴らしいのですが、ボタンコントロールも魅力の一つ。
タッチコントロールを採用するイヤホンはたくさんありますが、物理ボタンを採用しているものはめちゃくちゃ希少です。
先ほどBeatsやBoseは…と頑なにワイヤレス充電対応を拒む2社の文句を言いましたが、実は物理ボタンを採用している数少ないイヤホンを出しているのもこの2社。
物理ボタンは、装着する時に誤操作するリスクも低く、確実に操作したことがクリック感でわかるのため、個人的に大好きです。
最近車のエアコンのコントロールなどもボタンではなくタッチセンサーを採用するものが増えましたよね?
あれが嫌い!って方には共感いただけるんじゃないかと思います。
音質
一聴した感じ、音はめちゃくちゃ良かったです。
最近耳掛けタイプのイヤホンに関しては、レビュー依頼をもらってレビューしたものや、自分で買い漁ったのものなど、いろいろ試しておりますが「Bose Ultra Open Earbuds」はトップクラスの音質。
最近個人的にB&Oのスピーカー「Beosound A1 2nd Gen」の出番が多く、よくそれで音楽を聴いているのですが、最初Boseのイヤホンではなく、B&Oのスピーカーから音が出ていると勘違いしたほどです。
まさにスピーカーのような鳴らし方をします。
開放型なのにパワフルな深みのある低域の「Boseサウンド」を楽しめるだけでなく、中域・高域も非常に綺麗で、パワフルな低域に埋もれることも、開放型特有のスカスカ感も全くありません。
カナル型で耳が肥えた方々が聴いても、おそらく納得いただける音質じゃないかと。
さらにイマーシブオーディオの空間の広さが、カナル型の「Bose QuietComfort Ultra Earbuds」と比べてもさらに広く感じられ、ヘッドトラッキングの精度も高いです。
もちろんノイキャンは非搭載なので、静寂の中で音楽に没入したい方は絶対にカナル型がオススメです。
ながら聴きイヤホンの中で音質を求める方には、この「Bose Ultra Open Earbuds」が”最有力候補”間違いなしでしょう。
マイク検証
続いてマイクテスト。以下4つの環境で実施しました。
YouTube『【3/5発売】Bose Ultra Open Earbuds 発売日購入レビュー!』 12分21秒から実際の音を確認できます。
実際マイク音質を確認してみたところ、風の中・騒音の中でも何を喋っているかしっかり聞き取ることができます。
少しざらついた印象もありますが、通話で何を話しているか”しっかり聞き取る”という観点で見れば優秀だと思いました。
音漏れ検証
音が2箇所から出ます。
しっかり耳の奥に音を届けてくれます
音漏れを抑制してくれます
この機能で、実際どの程度音漏れが小さくなっているかを検証してみました。
YouTube『【3/5発売】Bose Ultra Open Earbuds 発売日購入レビュー!』 14分08秒から実際の音漏れを確認できます。
検証方法は、SONY(ZV-E1) の内蔵マイクで収録。マイクの指向性を前方に設定し、カメラからは約30cm程離れています。
少しの抑制を感じる程度
音がはっきりと聞こえる
逆位相の音を出す部分を指で摘むと、音漏れ具合も変化することが確認できます。
静かな部屋で隣に座ってもらい、音量50%で音楽を聴きながら音漏れを聴いてもらったところ、ギリギリ許容できるレベルとのことです。
電車の中や賑やかな場所であれば、5〜60%程度の音量ならそこまで音漏れは気にしなくても大丈夫かもしれません。
ただし騒音が大きくなる環境下では、静かなお部屋で音楽を聴くときと比べ、耳に入る騒音も大きくなります。
僕の場合、屋外では音量を75%程度にしないと音楽を楽しめないと感じました。
音量を上げれば当然音漏れも大きくなりますし、どうしても音漏れが気になる方は圧倒的に音漏れの少ないカナル型を選択するほうが無難です。
アプリ
アプリも見ていきましょう。
まずバッテリー残量確認と音量調整ができます
空間オーディオを楽しむときはイマーション
低域・中域・高域の3帯域を-10〜+10の範囲で自分好みに調整も可能
ここでチェックマークをオン/オフしても接続切り替えが可能
ヘッドトラッキングの設定が可能です
製品アップデート、音量の自動調節のオン/オフなど設定できます
ちなみに、アプリとうまく接続しないという方は、一旦Bose Musicアプリを再起動すると繋がりやすくなります。
↑てか、早くアプリの接続性については改善して欲しいですよね。
Bose製品で言うと、僕はYouTubeで「Bose QuietComfort Earbuds」からレビューしております。
ですが、その頃からずっとアプリとの接続性はよろしくありません。
最近出たBose QuietComfort Ultra Earbudsではだいぶ改善してきたとはいえ、Boseの4分の1位の値段で買えるAnkerのイヤホンなどはもっとアプリとの接続も早いですし、サクサク動きます。
Boseはアプリ開発が弱すぎるので、そこも大きな課題だと思います。
遅延
Pixel 8 Pro(Androidデバイス)でYouTubeを見る分には遅延はほとんど気になりませんが、音ゲーは正直厳しいです。
iPhone 15 Pro Maxと接続した場合はAndroid端末と接続するときと比べ、さらに遅延が短くなります。
これなら、「音ゲーもギリギリいける!」と答える人もいるんじゃないかと思うレベルです。(ちなみに僕は音ゲーは無理)
ぱぱのひとりごと
Boseの新しいイヤホン、いかがだったでしょうか?
僕は約3.5万円で手に入れたこともありますし、”この装着感の良さ”、”音質の良さ”、”物理ボタンの便利さ”、”革新的なデバイス切り替え”など、購入して良かったと思える1台でした。
ここ1、2年レビューしてきたイヤホンの中でも、掛け値なしで「一番好き!」と思えるほどです。
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ただし、定価の39,600円になると、やはり躊躇する価格であることは間違いありません。
“ワイヤレス充電もなし”、”ノイキャンが使えるわけでもない”、”アプリの接続が他社と比べて不安定”、”切り替えは革新的とはいえマルチポイントは現状非対応”。
【更新2024.7.18】
Bose Ultra Open Earbudsついにマルチポイントに対応です これができると、いちいち接続解除しなくても、使いたいデバイス側から接続できます
ネガティブなポイントも多いイヤホンですし、ハマればハマる。ハマらなければ高いだけ。
ぜひ量販店などでご視聴いただき、付け心地と音質、デバイス切り替えの便利さを体感していただきたいと思います。
すでにYouTubeで公開しておりますが、「Bose Ultra Open Earbuds」vs 「HUAWEI FreeClip」も記事化していきますのでお楽しみに!
それじゃあまた次の記事で会いましょう。
バイバイ。
【訂正とお詫び】
YouTube動画のスペック表に記載のケース込みバッテリー持続時間が間違っておりました。19.5時間と掲載しておりましたが、正しくは27時間です。
こちらの取説P29にバッテリーに関する記載がございます。
視聴者の方にコメント欄にて、ご指摘いただき気づきくことができました。いつも応援いただきありがとうございます。
当初、製品ページの情報に加えて、サポートに電話をかけ口頭でバッテリー持続時間を確認していたため(そこではイヤホン単体7.5時間、ケース込み19.5時間とアナウンス)、取説のバッテリーに関する情報までは目を通しておりませんでした。
訂正して深くお詫び申し上げます。
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