
1936年創業のSUUNTOから、フラッグシップGPSウォッチの「VERTICAL 2」が2025年10月31日に発売。
初代VERTICAL(2023年6月9日発売)から約2年4か月ぶりの刷新で、LTPO AMOLEDディスプレイ搭載(1–120Hz)、最大2,000ニトの高輝度、筐体上部側面にはLEDフラッシュライトを新搭載。センサー類は「RACE 2」と同世代、スポーツモードは115種類に拡充。ソーラーモデルは廃止されたものの、パフォーマンスモード(L1+L5/デュアル)で最大65時間、ツアー(単周波・低頻度)で最大200時間のロングバッテリーを確保。もちろん高層ビルが立ち並ぶ都市部の測位テストでも良好な結果が得られました。

先代モデルの「VERTICAL」と、2025年9月発売とほぼ同時期に登場した「RACE 2」とも比較しながら、その進化した機能などを詳しく紹介します。
\ では初期設定や文字盤などをさらに詳しく紹介しています/
価格・カラーラインアップ
2つのラインナップとバンドカラー

先代の「VERTICAL」は、ステンレスとチタニウムの発売後に”スチールソーラー”が追加されましたが、「VERTICAL 2」は現状ステンレスとチタニウムの2種類です。
ケース色

ステンレスのケース色はブラック、チタニウムは淡いグレーのケースカラー。
SUUNTO VERTICAL 2 の特徴は6点
①ディスプレイ
LTPO AMOLEDディスプレイを搭載。1〜120Hzのリフレッシュレートに対応し、前モデルのMIPディスプレイよりも発色が良く、最大輝度は2,000ニトの明るく美しいディスプレイはほぼスマホの画面のように見やすくなりました。


②フラッシュライト
筐体側面にLEDフラッシュライトを搭載。日常や暗い場所での探し物に活躍します。右上のボタン(もしくは右下のボタン)の長押しにフラッシュライトの点灯の割り振りができ、起動したいときにノールックでサッと起動できるのも嬉しいポイント。

③センサー
センサー類は新しくなり、9月発売の「RACE 2」と同じ新世代のセンサーを採用。

④対応するスポーツ
スポーツの種類が先代の95種類から115種類に増加(「RACE 2」と同数)。

⑤オフラインマップ
引き続きオフラインマップ(無料)が利用可能。日本全土(8地区分で5.2GB)のダウンロード時間がこれまでよりも短縮(約3時間13分)。※ネットワーク環境によってもダウンロード時間は前後します

⑥ロングバッテリー
パフォーマンスモード(デュアル測位且つ測位頻度は1秒間隔)で65時間、ツアーモードで200時間の持続時間を実現。AMOLEDディスプレイの搭載で電池持ちは前モデルよりは若干悪化したものの、依然としてロングバッテリーのウォッチと言えます。

VERTICAL 2 と RACE 2 の違い?



| 違い | VERTICAL 2 (アドベンチャー向け) | RACE 2 (パフォーマンス向け) |
|---|---|---|
| デザイン | 筐体側面に彫刻のような意匠が施された堅牢なデザイン。![]() | プレーンでシンプルなケースデザイン。 ![]() |
| LEDライト | 専用のLEDフラッシュライトを搭載。 明るさは25%刻み。赤色/SOS/ブリーズ/アラートがあります。 ![]() | 搭載なし(画面を光らせて代用)。![]() |
| 重量・厚み | やや重く厚い。![]() | 軽く薄い。![]() |
| ボタン・操作系 | 手袋をしていても操作しやすい3つのボタン。![]() | ランナーも使いやすいボタンと回転可能なリューズを採用。![]() |
| バッテリー | 「RACE 2」よりもバッテリー持ちが良いが「VERTICAL 」より短い | 「VERTICAL 」「VERTICAL 2」と比較してバッテリー持ちが短い |


バッテリーを重視される方は先代「VERTICAL」を狙うのもあり!
共通項は、3モデルとも全て32GBのストレージが内蔵、「VERTICAL 2」 と「RACE 2」は脳みそにあたるチップ(MCU)も同一、測位周りの仕様も共通です。※搭載されているチップ名は非公表


スペックと同梱物


画面に使われる素材はサファイアクリスタルで傷に非常に強く、ウォッチの動作温度は、-20℃から+55℃に対応。おそらくコスト面による理由なのか、ミルスペックは公式で謳われなくなったものの、堅牢性はこれまでを踏襲しており堅牢性の高いウォッチであることは間違いありません。メーカー保証は2年間(アクセサリーや充電器、ストラップは1年)です。
同梱物
本体/シリコンバンド(22mm)/新型USB-C充電ケーブル(強磁力・編み込み)/説明書








VERTICAL 2とRACE 2は充電器が共有です(初代VERTICALとは互換性がありません)。時計に磁石でピタッとくっつき充電器にもSUUNTOのロゴが刻まれています
【実証】GPS精度テスト_秋葉原 6.7kmコース
左腕に「VERTICAL 」「VERTICAL 2」、右に「RACE 2」を装着して、高架下6回・ビル街を通る位置情報の測位においては非常に過酷なコースでテストを行いました。(過去のウォッチレビューでも使ったコースです)3機種ともパフォーマンスモードで計測。都市部で行われるマラソン大会の想定としてはかなりいいコースです!!






高架下をくぐるところで、「VERTICAL 2 」「 RACE 2 」は少し線が乱れていますが、「 VERTICAL」はぶれていません。
装着している腕の位置でも多少の影響があるかもしれませんが、ルートの軌跡を確認すると3機種とも良好。


3機種とも”Snap to Route”対応。より正確なトラッキングを求めるなら、事前にルート設定をしてさらに高精度な計測も可能です。
ランナー視点での強み_カスタマイズ性


バッテリーモード
2周波GPS対応のパフォーマンス、エンデュランス、ウルトラ、ツアーの4つより切替が可能です近年は、2周波GPSに対応しているウォッチが増えていますが、測位頻度やデュアルかシングルかを選択できるものは意外と少ないです。




オートラップ
時間・距離とも細かく設定可能(時間は1秒刻み、距離は100m刻みで最大990.9kmまで設定できます)。


ラップ操作
物理ボタンで確実。(ラップ・オフラインマップ・ミュージックコントロール)。もちろん、右下のボタンを1回押すことで任意のタイミングでラップも取れます。誤タッチ防止で運動中はタッチ操作は無効化されます。以外と人気のスマートウォッチでは任意のタイミングでラップが取れないウォッチ(オートラップのみ)も多いので、ガチのアスリートにはやっぱりこういうウォッチを推したい。


表示カスタム
画面数の増減、ラップテーブルやグラフの表示など、運動中の画面設定も非常に自由度が高く、自分好みにカスタマイズ可能。


インターバルワークアウト
これまでのSUUNTOのウォッチ同様に、インターバルトレーニングも柔軟に設定可能。2周波GPSの正確な測位精度を生かし、手動ラップのみならずオートラップによるインターバルトレーニングも組めてしまいます。例えばこれから駅伝シーズンに入っていきますが、ロードを使ったインターバルトレーニングにおいては、当然マネージャーさんやコーチが事前に距離計測をしなくてはいけません。オートラップをうまく活用することで、距離計測の負担も減りそうです。





高精度な2周波GPSを活用し、ロードのインターバルが手軽にできます
スマートウォッチとしての機能は“必要最小限”
できる:通知受信、メディアコントロール、スマホを探す、クイック返信(Android対応)。
できない:ウォッチでの通話、カメラのリモート操作、音楽のオフライン保存再生、 音声アシスタント、Suicaなどの決済 。



多機能スマートウォッチではなく、あくまでGPSスポーツウォッチとして選ぶのが◎
機種変更が超絶ラク
SUUNTO VERTICAL 2はVERTICALやRACE 2と同様にiPhone/Android両OSに対応しているSUUNTOアプリでウォッチの管理を行います。スマホの機種変更時にウォッチ側のリセットを必要とせず、簡単に新しいスマホと再ペアリングできるのも大きな魅力です。ウォッチのリセットがない分、機種変時にかかる時間も短くて済みます。
【まとめ】ぱぱのひとりごと
AMOLED化とLEDライト追加で使い勝手と視認性が大幅進化しました。引き続きスマートウォッチとしての機能は控えめですが、計測の自由度・耐久性・バッテリーに振った“プロのギア”。ランナー、登山家、競技者など、スポーツに真剣に取り組むアスリートに心からおすすめできるウォッチです。そして、北欧ブランドらしく美しいウォッチデザインも大きな魅力の一つ。
『美しいディスプレイ+LEDフラッシュライト』が欲しい人には「VERTICAL 2」。バッテリー至上主義の方なら初代「VERTICAL」、軽さ・薄さ重視でリューズによるスクロール操作が好きな方は「RACE 2」という選択がよさそうです。
それでは次の記事で会いましょう。バイバイ。















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