先日発表されたGoogle Pixel 10シリーズ。今回はその中から、「Pixel 10 Pro」(6.3インチ / 256GB)を徹底的にレビューしていきます。開封からデザイン、進化したカメラ機能、そして待望のマグネット式充電”Pixelsnap”まで、その実力を詳しく解説。カメラについては先代のpixel・iPhone・Galaxyとの比較もあります。純正ケースやサードパーティ製ケースも併せてご紹介します。[ 製品提供 :Google]



\ 記事では伝えきれなかった初期設定・アプリなどの情報がたっぷり。気になる方はぜひ もご覧ください! /

価格・特典・下取りの注意点

この夏は、これまで2眼カメラから望遠カメラを搭載し3眼カメラになった「Pixel 10」、「Pixel 10 Pro」「Pixel 10 Pro XL」は100倍ズームに対応した”超解像ズーム Pro”を搭載、さらに折りたたみの「 10 Pro Fold」の4モデルが登場。
特典

- ストアポイント
- これまでの”ストアクレジット”が”ストアポイント“という名称に変わりました。
- 有効期限が1年から2年に延長。
- 去年に比べて付与されるポイント額も増額されています。
- Google AI Proプラン
- 名前に「Pro」がつくモデル(Pixel 10 Pro / Pro XL / Pro Fold)を購入した場合、Google AI Proプランが6ヶ月間無料(¥2,900×6ヶ月=¥17,400)でついてきます。最上位のAIモデル”Gemini 2.5 Pro”へのアクセスや、画像・動画生成AI”Imagen 3″の利用権などが含まれます。
- Pixel 10の場合は、Google Oneの2TBストレージが6ヶ月間無料になる特典が付きます。
下取り
下取りプログラムがとてもお得である一方、少し複雑で注意が必要です。

- 注意点:購入するモデルによって下取り額が変わる
- 下取りに出す機種が同じでも、新しく購入するPixelのモデルによって下取り額が変動します
- 価格の「逆転現象」が発生する可能性
- この仕組みにより、下取りとストアポイントを合算した実質負担額で計算すると、上位モデルである「Pixel 10 Pro」の方が、下位モデルの「Pixel 10」よりも安く買えてしまう逆転現象が起こる可能性があります。
- この記事の公開時には下取り額が下がる&ストアポイントは終了
- この記事を公開するころには、ここに掲載している下取り額からガクッと下取り額は下がり、ストアポイントも終了しています。過去の流れからブラックフライデーや新生活の時期などGoogleストアでは時々セールが行われるため、発売時期近くの”売りの時期”を逃すとかなり割高に感じてしまいます。

購入前に対象機種の下取り額とストアポイントをしっかり確認し、どのモデルを買うのが一番お得になるか計算することが重要です!
Google Pixel 10 Google Pixel 10 Pro/ 10 Pro XL Google Pixel 10 Pro Fold
開封とデザイン
パッケージは環境に配慮した紙製。中には本体、USB-C to Cケーブル(USB2.0)、SIMピン、説明書が同梱されています






前モデルの「 9 Pro XL」と比較すると、背面の”G”ロゴは歴代で最も大きくなり、存在感を増しています。シルキーなマットガラス(Gorilla Glass Victus 2)で、高級感のある仕上がり








大きな変更点として、SIMトレイがこれまでの底面から上部に移動し、カードの向きも縦から横向きになりました


センターパンチホールのインカメラに4辺均等の細いベゼル、ステレオスピーカー


マグネットで充電器などのアクセサリーを装着できる”Pixelsnap”に対応した影響か、Pixel 10シリーズは全モデルで前年のモデルより重くなりました
カラー








外部出力とデータ転送速




USB Type-Cポートは、モニターなどへの外部ディスプレイ出力に対応しています。データ転送の最大速度は5Gbpsでした。(※5Gbpsの転送には対応のケーブルが必要です)「iPhone 16 Pro Max」や「Xiaomi 15 Ultra」などの競合製品が10Gbpsに対応している中、5Gbpsは少し物足りないですよね。「Pro」を名乗る20万円近い高価な端末なのだから、プロユースを意識して今年は10Gbpsに対応してほしかった。
ディスプレイと指紋認証 QRコード読み取りで指紋認証精度が最適化


ディスプレイは輝度が向上し、日中の屋外でも非常に見やすくなっています。
アップデートの詳細はこちらです


そして、今回最も驚いたのが指紋認証。
Googleの認証を受けた(made for Google)特定の保護ガラスを貼り付け、ガラスのパッケージなどに記載されているQRコードを読み込むことで、システムレベルで指紋認証が最適化されます。






実際にmade for Google認証のガラスを購入し試したところ、指を置くだけで一瞬でロック解除でき、水に濡れた指でもサクサク認証できました。先代のPixel 9シリーズでは超音波式の指紋認証になり、これまであった”Pixelの指紋認証はイマイチ”というイメージをだいぶ払拭してくれていましたが、今回の最適化は一気に”Pixelの指紋認証は最高”に押し上げるアップデートではないでしょうか!? ちなみに、登録できる指紋は最大4個、顔は1個です。


\関連動画 /
新機能「Pixelsnap」 待望のマグネット式ワイヤレス充電
iPhoneのMagSafeのように、背面に磁石でピタッとくっつけてワイヤレス充電ができる”Pixelsnap”が搭載されました。
純正の充電スタンドを使えば、縦向きでも横向きでも確実に磁力で固定でき、コイル位置から筐体がズレて”充電できてない”問題をなくします。v










【検証】充電時間
Pixel 10・10 Pro・10 Pro Fold=15W 対応
10 Pro XL=25W対応


「Pixelsnap 充電器」を使って充電速度を計測したところ、0%から100%までにかかった時間は3時間9分でした。有線充電の場合は1時間28分と高速です。Pixel 10 Pro XLはPixelsnap(ワイヤレス)でも2時間12分とこの3機種の中では25Wに対応しているため、さらに高速に充電できます。


ちなみに、iPhone 16 Pro Maxを最新のMagSafe充電器(25W対応のもの)で充電した場合も2時間ちょいで100%になります。欲を言えば、Pixel 10 ProもProモデルなので25Wに対応して欲しかったですが、高速なワイヤレス充電を手に入れたい方はXLが良さそうです。
パフォーマンスとバッテリー AI性能が飛躍的に向上した「Tensor G5」


チップはTSMC製3nmプロセスの「Tensor G5」を搭載。CPUは平均34%高速化し、AI処理を担うTPUは最大でなんと60%以上も向上。インターネット接続なしでも高度なAI処理が可能になっています。
AnTuTuベンチマークスコア






一方で、AnTuTuベンチマークのスコアは他のハイエンドモデルと比較するとかなり控えめです。さらに連続でテストするとスコアがさらに落ちていきます。ゲーム性能よりも、AIを活用したカメラ機能や文字起こしなどの独自機能に最適化されたチップと言えます。ゲームガチ勢は素直に別の端末を買いましょう。ちなみに普段ゲームを全くしない私個人的には普段使いで困りことは一切ない性能ではあります。


チップの省電力化とバッテリー容量の微増により、公式の駆動時間は24時間から30時間に向上しています




バッテリー持ちは、「Pixel 9a」よりは若干劣るものの、「Pixel 9 Pro XL」よりは向上しているという印象です。
カメラ 100倍ズームと進化した撮影体験


今年のProモデルの目玉は、なんといっても最大100倍の”超解像ズーム Pro”です。 AI処理(AI生成)によって、遠くの景色も驚くほど鮮明に撮影できます。特に風景撮影でその威力を発揮します。作例は後ほど。
Pixel 10は、新たに望遠カメラが搭載され3眼になりました。しかしその一方で、メインカメラと超広角カメラはProモデルよりセンサーサイズが小さく、レンズも暗くなっています。おそらく、チップが新しくなったことによりハードウェアを抑えて、その分浮いたコストで望遠カメラを搭載したほうがユーザー体験が先代より向上するといった判断なのでは?と思われます。
\ 記事では伝えきれなかったPixel 9 / Pixel 10 / Pixel 9aの徹底比較動画も公開しましたので、気になる方はぜひ もご覧ください! /


ユーザーにとって嬉しい撮影体験


ポートレートモードが1倍に対応:Pixelは歴史的にずっとこれまでポートレート撮影時にクロップされていたため室内で使いにくい場面がありました。これが10世代歴史を紡いできて今回ついに1倍でのポートレート撮影が可能になり、個人的にはこのアップデートが激アツでした。もちろんポートレート撮影時のズームも可能で1〜3倍の撮影が可能です。


プレビュー画面の画質向上:撮影中のプレビュー映像が非常に綺麗になり、撮れる写真のイメージが掴みやすくなりました


カメラコーチ機能:AIが構図や撮り方を画面上で提案しながら撮影できる機能を搭載。スマホを使った撮影が苦手な方なんとなく映える写真が撮れないという方でも印象的な写真を撮りやすく手助けしてくれる機能です
作例【写真編】比較10 Pro・9 Pro XL・iPhone 16 Pro Max・Galaxy S25 Ultra
※ブログ記事は画質を落として掲載しています。カメラ比較はYouTubeの4K画質でもぜひお確かめください。






最大倍率


ご覧の通り、Pixel 10 Proの100倍はAI生成も使い、非常に鮮明な画像に仕上がっています。「Galaxy S25 Ultra」も100倍が使えますが、筐体サイズが小さい「Galaxy S25」では使えません。その点、Pixelは「Pixel 10 Pro XL」、小さい筐体の「Pixel 10 Pro」もカメラは共通のためどちらも100倍ズームが使えるのはありがたい。


ただし注意したいのは、超解像ズームProは風景などはAIによる生成を活用しても違和感のない画像に仕上がりますが、文字などを撮ると不自然な文字になってしまいまうことがあります
また、人物には超解像ズームProが効かないようです。
ポートレート


(右)「Pixel 9 Pro XL」では1.5倍に拡大されてしまい、室内などで使いにくかったのが、「Pixel 10 Pro」では1倍の画角で撮影できるようになり、室内などスペースが限られる場所での撮影時も構図決めが容易に。


被写体の輪郭処理がさらに上手くなり、グラスの縁などのガビガビがなくなりしっかり改善が感じられますされています。
夜景




超解像ズームProでの作例。場面によっては、やや塗り絵のような印象にもありますが、風景などではどんどん使ってみたくなる面白い機能。
「夜景モードの設定を『オート』にしておくこと」
高倍率(30倍以上)でのズーム撮影時は自動的に夜景モードがオフになり、”超解像ズーム Pro”が働いて、AIによる精細なズーム写真を撮影します。




低倍率(30倍未満)での撮影時は、 夜景モードが自動で働き、明るくノイズの少ない写真を撮影します。
※AI生成を使いたくない場合は、最大ズーム30倍までになりますがAI生成のモデルを削除することで、使わない設定にもできます。
マクロ




これまで通り超広角カメラを使ったマクロ撮影(最短約3cm)に加え、「Pixel 10 Pro」では望遠カメラを使ったテレマクロ撮影時にこれまでよりも近づけるようになり(被写体から10cm程度)、より被写体を大きく捉えることが可能です。
作例【動画編】比較10 Pro・9 Pro XL・iPhone 16 Pro Max・Galaxy S25 Ultra・Xiaomi 15 Ultra
YouTubeで【動画編】をご覧いただけます
Pixel 10 Pro・9 Pro XLの比較




Pixel 10 Pro・Galaxy S25 Ultraの比較




Pixel 10 Pro・iPhone 16 Pro Maxの比較




比較機種含めた全てにおいて、撮影時の超広角から望遠までの切り替えが可能です。
「Pixel 10 Pro」は広角撮影時は手ブレ補正が効いているものの、ズームした際の手ブレが気になります。
1インチの大型センサーを搭載する「Xiaomi 15 Ultra」と比較すると、やはり夜のシーンでは画質に差が出ます
Pixel 10 Pro・Xiaomi 15 Ultraの比較


あとは、夜間に超広角カメラで撮影した際にノイズが少し目立つ点が気になりました。
スピーカー:小型ボディとは思えない豊かなサウンド
YouTubeで実際の音を確認できます
スピーカーの音質が劇的に向上しています。 前モデルのPixel 9 Pro XLや他社の大型ハイエンドモデルと比較しても、6.3インチというコンパクトな筐体からは想像できないほど、クリアで深みのあるサウンドを実現しています。










通常、スピーカーの音質(特に低音)は筐体サイズが大きい方が有利ですが、比較的小型な「Pixel 10 Pro」が大型スマホに全く引けを取らないことに驚きました。内部構造や音響アルゴリズムが新しくなったのか、具体的な理由は示されていませんが、「Pixel 9 Pro XL」と比較しても明らかに音質は良くなっています。普段、生活の中でPixelでラジオを流すことが多いのですが、その際に『あれ、なんだかすごく音が良くなったな』とすぐに実感できるほどでした。
ケース
1. Google 純正シリコンケース


特徴:内側は本体を傷つけないマイクロファイバー素材、重量は単体で31.6g。ボタン部分は金属製でカチカチと押しやすい。Pixel 10と10 Proでケースの共有が可能。ただし、前年のPixel 9シリーズとの互換性はありません
価格:7,920円。前年のモデルから2,200円値上がりです。
磁力:900g(ストラップホールなし)※チャンネル独自テスト
もちろんPixelsnapに対応しており、MagSafe対応のアクセサリーも利用できます。
Google Pixelsnap ケース商品ページ

2. サードパーティ製ケース
Spigen (シュピゲン) 製ケース


特徴:”Parallax”というモデルで、背面の独特なテクスチャのデザインで、グリップ感が非常に良い。磁力が非常に強く、純正ケースよりも強力です。紹介したケースの中では最も重い41.8gですが、MILスペック(米軍MIL規格)に準拠した高い耐衝撃性能を持っています。
磁力: 1100g(ストラップホールなし)※チャンネル独自テスト


Mous (マウス) 製ケース


特徴:27.5gと非常に薄型・軽量なケース。内側は優しいマイクロファイバー素材。ボタン部分はケース一体型ではなくくり抜かれているタイプです。
装着しても横幅がほとんど変わらないため、できるだけコンパクトに持ち歩きたい人におすすめです。
磁力:1000g(ストラップホールなし)※チャンネル独自テスト
ジェットブラック軽量スマホケース商品ページ\関連動画 /
【まとめ】ぱぱのひとりごと
Pixel 10 Proは、スペックの数字以上に「体験の質」を大きく向上させた一台です。
- システムレベルで最適化できる指紋認証
- 便利なPixelsnap(マグネット充電)
- 1倍で撮影できるようになったポートレートや綺麗なプレビューなど、使い勝手が向上したカメラ
- クラス最高レベルのスピーカー音質
これらの進化により、日常のあらゆるシーンでストレスなく、非常に快適に使えるスマートフォンに仕上がっています。
ただ、一方でゲーム性能は以前として大きな進化はないため、ゲームガチ勢には向かない端末。
過去のPixelで指紋認証に不満があった方や、iPhoneのMagSafeのような便利なワイヤレス充電を求めていた方には、スマホで音楽を聴くことが多い方、100倍ズーム使ってみたい!という方にはおすすめできる一台です。過去最高の体験に進化したPixelと言っても過言ではないでしょう。
それでは次の記事で会いましょう。バイバイ。
Google Pixel 10 Google Pixel 10 Pro/ 10 Pro XL Google Pixel 10 Pro Fold
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