今日は2024年4月11日に発売となった、『Galaxy S24 Ultra』のカメラ性能に特化したレビューをお送りします。
YouTubeのレビュー動画冒頭の通り、先代のGalaxy S23 Ultraも今年発売のS24 Ultraも撮影中にインカメとアウトカメラの切り替えができますが、ほかにどこが進化したんでしょうか?
iPhone 15 Pro Maxなどの人気ハイエンド機種とも比較検証をやってきましたので、一緒に見ていきましょう。
カラー展開やスペック、デザインなどについては、YouTube『Galaxy S24 Ultra 徹底レビュー [ 他社ハイエンドスマホとカメラ比較も有り ]』で詳しく解説しています。
\ Galaxy S24 Ultra /
Galaxy S24 Ultra カメラ比較【写真編】
Galaxy S24 Ultraのカメラは、先代の10MP光学10倍ズームができるペリスコープカメラから解像度が50MPへと上がり、光学5倍ズームに。
F値も4.9から3.4と明るいレンズに変わり、センサーサイズも大きくなっています。
これまでは、メインカメラ 2億画素の1倍からはじまり3 倍、10 倍と光学ズームの刻みが3倍〜10倍の間は開きが大きく、10倍は被写体に近づきすぎてしまい使いにくいと感じることもありました。
Galaxy S24 Ultraは1倍、3倍、5倍と小刻みになったことで、子どもやペットをよく撮る方などにはより使い勝手が良くなっています。
ただ1つ気になるのは、デジタルズームになってしまう10倍に関しては画質が粗くなり、今までより劣化してしまのではということ。
そこはきちんと考えられており、50MPに高解像化したことにより、中央部分を切り取って画像劣化がないように10倍ズームも引き続きできるという仕組みです。
Galaxy S24 UltraとGalaxy S23 Ultraを比較
実際にGalaxy S24 UltraとGalaxy S23 Ultraを比べてみましょう。
超広角0.6倍で撮った作例です。
顕著に感じたのは色味です。
これは超広角のみならず、メインカメラや望遠側にも共通して言えることですが、右のGalaxy S23 Ultraは特に空の色がいつも不自然な色になりがちだったんです。それが、Galaxy S24 Ultraはより見たままに近い色に改善されています。かなり好印象ですね。
こちらは望遠3倍で撮った作例を拡大したものです。
センサーサイズなどはおそらく変わってないと思われますが、ソフトウェアが改善されているのか、非常にノイズが少なくなったなと思います。
悪く言うと塗り絵っぽい印象もあるかもしれませんが、個人的にはパッと見たときにノイズが少なく色味も自然になったという印象を受けました。
良くなったなと感じている部分ですが、みなさんはいかがでしょうか?
そして、こちらが肝心の5倍ズームです。
右のGalaxy S23 Ultraは光学5倍ではなく、デジタルズームで5倍になってます。
左のGalaxy S24 Ultraは光学5倍です。
そして、5倍ズームで撮ったものを500%に引き伸ばしました。
これはもうご覧の通り、Galaxy S24 Ultraがめちゃくちゃ綺麗になっているのがわかります。
そして、10倍の望遠ズームがこちら。
Galaxy S24 Ultraは10倍のペリスコープがなくなったので、デジタルズームになっています。
逆にGalaxy S23 Ultraは光学10倍です。
これを500% に引き伸ばすとこんな感じで、遜色ないレベルです。
次に、こちらはデジタルズームの30倍で最大倍率の100倍まで寄ったところです。
30倍、100倍となってくると、エッジ部分のシャープさは、僕はGalaxy S23 Ultraの方があるかなと思いました。
Galaxy S24 UltraとGalaxy S23 UltraとiPhone 15 Pro Maxを比較
それから、iPhone 15 Pro Maxとも比べてみました。
超広角の作例です。
(iPhoneについては、画角が一番広くなっています。それから、フォトグラフスタイルという色味を変更するフィルター機能は“標準”に設定しています)
こちらは広角の作例。
先ほどの超広角もこの広角も、この後紹介する望遠の作例も、Galaxy S24 UltraよりもiPhoneの方がより控えめな色味になっています。Galaxyは、かなり彩度が高めで、パキッとした色味になってますよね。
こちらが望遠5倍の作例です。
(iPhoneも光学5倍の望遠カメラが付いています)
こちらを拡大してみます。
500%に引き伸ばしましたが、色の傾向として、超広角・広角と近い感じですが、Galaxy S24 Ultraの方がより細部まで解像できていて、ノイズも少ないです。5倍ズームは、Galaxyに軍配かなと思います。
こちら、 iPhoneは最大倍率25倍でズーム撮影し、さらに500% に引き伸ばしました。
色は iPhoneが彩度低めで控えめに見えますが、実際の見た目に近いのはGalaxyでしょうか。
iPhoneはオレンジっぽく出る印象で、人肌とかも黄色っぽく映る傾向にあり、それは必ずしも見た目に近い色ではないですし、昔からそういう傾向でずっと変わらないんですよね。
RAW撮影もできますので色なんてなんとでもなると言えばなんとでもなりますが、スマホカメラはサクッと撮っていい感じにしてくれるところが魅力でもあるので、さっと構えてどう仕上がるかは個人的に重要だと思っています。
ここからは、実際に作例を羅列します
結構好みが分かれるところかもしれないです。
ナイトモード:Galaxy S24 UltraとiPhone 15 Pro Maxを比較
こちらは夜の作例、Galaxy S24 Ultraは照明の白飛びをかなり押さえられている傾向ですが、抑えようとするがあまり、スタバの看板あたりの色がちょっと不自然になっています。
また、建物の向かいのネオン(紫)の影響をGalaxyは大きく受けていますが、現場ではここまで紫には見えていないので、ここはiPhoneのほうが上手に処理できていると言えるかもしれません。
もう少し寄って、看板を大きく入れると自然に映りましたが、やはりシーンによって得意不得意があるなという印象です。
ナイトモード:Galaxy S24 UltraとGalaxy S23 Ultraを比較
それからもう一つ、Galaxy S24 UltraとGalaxy S23 Ultraで大きく差が出たのがこちら、夜の作例です。
おわかりになるでしょうか。望遠5倍、右のGalaxy S23 Ultraがブレています。
Galaxy S24 Ultraのチップ性能が向上し処理性能が上がっていることもあり、同じ場面でもナイトモードを使って撮影する時の撮影時間が格段に短くなりました。
これはGoogle Pixel 7 Pro → Pixel 8 Proの時にも同じように夜景モードの撮影時間が格段に短くなりましたが、Pixel同様夜の失敗写真がすごく減るんじゃないかなと思います。
あと、やはりこの色味がいいですね。特に雷門の赤やゴールドのあたり。
Galaxy S23 Ultraはかなりパキッとしたゴールドになっています。
雷門を寄進した松下幸之助も「こんな下品な色ちゃうで」と言ってるかもしれません。知らんけど。
Galaxy S24 Ultraはそれが抑えられて、すごく好印象です。
実はこういったカメラ比較では、いつもできるだけ自分の意見は言わないように、誰もが一目でわかる差分にスポットを当てて事実を淡々と伝えるスタイルでやっています。
これは、「スマホカメラに求めるものが人によって全然違うから」という理由があります。
正直打ち明けると、個人的にはいままでのGalaxyの色味は苦手でした。
彩度が高すぎて、映え写真としてはいいのかもしれませんが、どこか作られたウソ世界のようで、自然と使わなくなっていました。
今回色味がこれまでのGalaxyのカメラと比べ、より見たままに近いチューニングになったことは嬉しいポイントです。
ポートレートモード
ポートレートモードも優秀になったと感じます。
1倍のポートレート、手の部分を拡大すると、指の間も綺麗に背景との分離ができていますし、より光学的なボケ味に近い印象です。単純に被写体と背景を分離するだけでなく、光学的なボケに近いようになだらかにぼかし方をしていることがわかります。
2倍のポートレートモードで撮った時も、拡大するとGalaxy S23 Ultraはうまく処理ができていないところがありますが、Galaxy S24 Ultraの方がより処理が上手です。
それから、ポートレートモードでも今回から5倍が使えるようになりました。
Galaxy S23 Ultraは3倍までだったのが、今回は5倍まで寄れるので、表現の幅も広がると思います。
カメラUI/機能
カメラUIやカメラ機能も見てみましょう。
写真では「0.6倍・1倍・3倍・5倍・10 倍」とズームができ、倍率のいずれかを長押しで細かく焦点距離が変えられる仕様はこれまで通りです。今回も最大倍率は100 倍までズームが可能です。
Galaxy S23 Ultraに関しては5倍がなく、「0.6倍・1倍・3倍・10倍」で最大倍率 100 倍でした。
メインカメラのセンサーは今回も2億画素。
何メガピクセルで撮影するかを「12M・50M・200M」 から設定が可能になっています。
アスペクト比ももちろん変更可能です。
200Mで撮影できるのはメインカメラのみで、この設定時は 1 倍のみになってます。
ポートレートモードは5倍が加わり、「1・2・3・5 倍」で撮れます。
動画については 、今回も8K30fpsまで撮影が可能。4Kについては 残念ながらちらほら他社で対応が始まっている120fpsの対応はなく、4K60fpsまで。
嬉しいアップデートとしては4K60fps撮影中にレンズの切り替えができます。
動画は0.6倍からスタートして、最大倍率は20 倍まで。
加えて、インカメと外カメの切り替えも撮影中に行えます。
動画モードの右隣、『その他』の中にEXPERT RAW撮影や、プロモード、プロ動画、ナイトモード、食事、パノラマ、スローモーション、ハイパーラプス、ポートレート動画、デュアル録画、シングルテイクの機能が隠れています。
そして、今回はXiaomi 14 Ultraなどで搭載されているLog撮影のような設定は見当たりませんでした。
iPhone 15 Pro / 15Pro MaxもApple ProRes Log撮影ができます。最近はLog撮影ができるスマホも増えてきたので、来年あたりは追加してほしい機能ですね。
Galaxy S24 Ultra カメラ比較【動画編】
今回の大きなアップデート、“4K60fps撮影中にレンズの切り替え”ができるので、デジタルズームしかできないGalaxy S23 Ultraより圧倒的にGalaxy S24 Ultraの方が綺麗な絵が撮れます(望遠時)。
もちろん 、Galaxy S23 Ultraも一旦撮影を止めて望遠レンズ側から撮影を始めれば、同じように20倍ズームができるようになり綺麗な寄りのショットが撮れます。
続いて、4K60fpsで Galaxy S24 UltraとGalaxy S23 Ultraを手持ちで歩きながら撮影してきました。
元々綺麗に撮れるカメラなので、そんなに画質面で大きな進化はないかもしれないですが、実際に歩いてみると、若干の縦揺れの少なさを感じました。手ぶれ補正がちょっとだけ優秀になってるかもれません。
YouTube(25:06〜)で実際に確認ができます。
ちなみにこちらは、メインカメラ 1 倍で撮った動画の比較です。
先代からそうでしたが、強い光が入ってくる逆光のシーンでもかなりフレアを抑えられているなという感じがします。
続いて夜の作例です。
Galaxy S24 UltraとiPhone 15 Pro Maxの一番センサーの大きいメインカメラ比較(手持ち歩き撮影)。
映り方はかなり対照的で 、iPhoneは全体的に少し暗めに、Galaxyは全体が明るく映るようになっています。Galaxyは明るく持ち上げられている分、ノイズも多めです。
ただ、Galaxyの素晴らしいところはゴースト・フレアをかなり抑えているところです。
見ていただくと分かる通り、iPhoneはチラチラとゴーストが映っていますが、Galaxyは全然ありません。
手ぶれ補正については、どちらも優秀で、着地した瞬間のブレもしっかり抑えられていました。
こちらPixel 8 Proの動画比較です。
4K60fps広角1倍、Pixelもゴーストが目立ちます。
Xiaomi 14 Ultraも同じ条件下で撮影しましたが、こちらもゴーストが出ています。
ぱぱのひとりごと
カメラに関して、かなりアップデートが感じられました。特に3つ。
まず、色味がより自然で見ために近く、ナチュラルに抑えられていてキレイに撮れるようになったのが嬉しいポイントです。
ナイトモード時の撮影時間が短くなったので、撮影体系もより向上しているところGood。
動画も若干手ぶれ補正が優秀になったこと、4K60fpsでカメラの切り替えができるようになったところもポイントが高いかなと思います。
はい、ということで、今日は Galaxy S24 Ultraのカメラレビューをお届けしました。
YouTube『Galaxy S24 Ultra 徹底レビュー [ 他社ハイエンドスマホとカメラ比較も有り ]』でより詳しいレビューをご覧いただけます。
また、先行体験会の Galaxy S24 Ultra Seriesのアクセサリー類のレビューなども紹介しておりますので、まだの方は是非そちらもご覧ください。
動画では、それではまた次の記事で会いましょう。バイバイ。
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