7月5日発売のハイエンドスマートフォン「Zenfone 11 Ultra」を徹底レビューします。
以前、「Zenfone 9」「Zenfone 10 」を YouTubeで紹介しましたが、5.9インチのコンパクトハイエンドスマホの代表選手のような存在でした。
それが今年は大きく進化。
そう、画面が6.78インチと大型化しました!!
✔︎1〜120Hzの可変リフレッシュレートに対応したFHD+/LTPO/AMOLEDディスプレイを採用
✔︎ピーク輝度も2500nitsと非常に明るく、直射日光下での視認性、そして撮影体験もぐっと向上
✔︎先代同様にFeliCa搭載でおサイフ対応
✔︎IP68等級
✔︎6軸搭載ジンバルカメラ
✔︎望遠カメラが搭載されたことで苦手だったズームも強化
✔︎先代の4300mAhから5500mAhとバッテリー搭載容量が大幅にアップ
✔︎チップはもちろんSnapdragon 8 Gen 3
✔︎その他、3.5mm のイヤホンジャックを搭載、Bluetoothコーデックも充実でLDAC、LC3、aptX Adaptiveなどにも対応
✔︎Snapdragon Sound対応
✔︎オンデバイスで動くAI機能が充実(AI 文字起こし機能、AI 通話翻訳機能、AI 壁紙生成機能、AIノイズキャンセリング)
カラーは4色展開です。
ストレージによってカラー展開が変わり、価格はご覧の通り
先代の 「Zenfone 10 」との違いはスペック表を拡大してご覧ください。
バンド対応はこちらです。
これまでのコンパクトハイエンドから大型化しましたが、どんなスマートフォンになっているのか、一緒に見ていきましょう。
YouTubeでもご覧いただけます
同梱物をチェック
先代で同梱されてた30W充電器は残念ながらなくなりました。65WのHyper Chargeに対応。
「Zenfone 11 Ultra」もワイヤレス充電にも対応しています。
筐体デザイン
先代の2眼から今作はカメラは3眼構成に。デザインもガラッと変わりました。
カメラの右に“ASUS Zenfone”の文字が刻まれており、背面下にはASUSの“A” と中国語の“人”を表す記号からインスパイアされた意匠がアクセントとしてあしらわれています。
背面はマットなガラス素材で、サラサラとした質感です。
「Zenfone 9」「Zenfone 10 」は樹脂素材の背面でグリップ感がありましたが、汚れやすいというレビューもありましたが、今回はぐっと高級感が増しました。
認証方法は電源ボタン共通の側面指紋認証ではなくなりました
(個人的にはコレが一番残念→もはやXperiaくらいしか側面指紋認証を採用しなくなりました。)スピーカーは、デュアルステレオスピーカーです。
インカメラは、 29.4mmから22mmと、かなり広角になり、大人数でも使いやすいカメラとなりました。
同梱のケースをつけたところですが、側面がオープンになっています。
他社の6.7インチや 6.8インチのスマートフォンと比べても横幅は大きくありません。
ケースについて、動画制作時点でのグローバルサイト下に『RHINOSHIELD』のケースが紹介されていました。
同梱のケースは、側面と底面が開いたデザインなので少し不安な方は、下記の『RHINOSHIELD』ケースを参考にしてみてください。
ちなみに、「Zenfone 11 Ultra」の購入時にはフィルムは貼られていないため、『RHINOSHIELD』のフィルムも合わせて紹介しています。
『RHINOSHIELD』ケースについてはこちらをクリック
『RHINOSHIELD』SolidSuitケース
「SolidSuit」は側面も底面も覆われ、MIL規格に準拠しているのでかなりタフなケースです。
iPhone用の「SolidSuit」をレビューした時の様子ですが、3mを超える高さからアスファルトに落としても無事でした。
YouTubeで磁石はオプションで選択ができ、選択すればMagSafeアクセサリーが使えます。
\ RHINOSHIELD [Zenfone 11 Ultra] SolidSuit ケース MagSafe対応 /
『RHINOSHIELD』耐衝撃フィルム
金属ハンマーで叩くプロモーション映像のインパクトが大きかったですが、その耐衝撃フィルムを貼りました。
「Zenfone 11 Ultra」のディスプレイはフラットなので保護ガラスは選びやすいです。
耐衝撃フィルムは厚さ0.29mmととても薄く、指すべりも良いです。ガラス製品よりはやや指紋は目立ちます。
ちなみにZenfone 11 UltraのAlways ONの設定をオフにして、完全に画面がブラックアウトした状態から指をセンサーに置いてもロック解除ができました。
このフィルムは薄いので、指紋認証の精度を落としたくない人にもお勧めですね。
\ 対応スマホアクセサリー Zenfone 11 Ultra RHINOSHIELD /
『RHINOSHIELD』SolidSuitケース&耐衝撃フィルム
\ 対応スマホアクセサリー Zenfone 11 Ultra RHINOSHIELD /
使いやすいZenUI
初期設定
データ移行せずに初期設定の状態でストレージ 22GBを使用しています。
Zenfoneのシステム環境設定は、初期設定する時に“純正のAndroid” か“ASUSのオリジナル”かを選択できます。
ZenUIはカスタムされたOSではありますがゴリゴリに手を加えたOSではなく、ピュアAndroidに近く、且つピュアAndroidで少し使いにくいと感じる部分が、使いやすくカスタムされています。
個人的にはとても好きなOSです。
特に、Zenfoneの『拡張機能』という設定項目で色々な設定ができ、便利です。
先代の「Zenfone 10」にあった、電源ボタンをスワイプする操作(Webページの更新や動画の早送り巻き戻し)ができなくなったのは、ちょっと残念です。
その他、気に入ってる便利な機能はこちら
画面を下にスワイプして、Wi-Fi とモバイルネットワークそれぞれをワンタップでON/OFFできます。
画面の左半分・右半分に分けてスワイプできるのも便利です
アップデートについては、2回のOSアップデートと4 年間のセキュリティアップデートが約束されています。
【検証】パフォーマンスとゲーム性能
バッテリーを100%まで充電した状態から、3回連続でAntutuベンチマークスコアを計測しました。
3回連続で200万点越え。
ぱぱのひとりごとチャンネルで紹介してきたハイエンドスマートフォンの中でも高水準です
ちなみに、システムモードは”高性能”に設定して計測しました。
リフレッシュレートは自動・120Hz・60Hzから選択が可能です。
144Hzのリフレッシュレートの設定方法は
動画で解説しています(9:42〜10:22)“原神”のデフォルトの画質の設定は“高い”になっており、いつも通り全ての項目を“高い”に設定にして、30分間、原神を遊んでみました。
平均FPSは50ぐらいで、戦闘シーンでのカクつきもありませんでした。
CPUとGPUの温度はご覧の通り
Zenfoneは、かなりパフォーマンスが高くてゲーム向けの端末ですが、それだけではなく、充電モードの変更も可能です。
バイパス充電、前記事の 「Xperia 1 V」 にも搭載されていましたが、バッテリーには給電せずに発熱を抑えつつ、システムに直接電源を供給するモードです。
長時間ゲームをしていると、バッテリーがすぐ減ってしまいますが、バイパス充電であればバッテリー温度の上昇を抑えつつ、長時間ゲームプレーができるのでいいですね!
ASUSといえば、ゲームに特化した「ROG Phone 」がありますが、「Zenfone 11 Ultra」とスペックが近く、どこが違うのか!?
ROG Phone 8シリーズのみに対応しているのは、スマホの背面につけて冷却すしてくれる「AeroActive Cooler X」が使えることと、急速冷却のヒートシンク搭載の違いがあげられます。
逆に言うと、それ以外は同じで上記で挙げた高い処理性能に加え、バイパス充電など、快適にゲームを遊べる端末に仕上がっています。
【検証】バッテリーと充電時間
バッテリー検証
GSMArena Battery Runking v2.0で上位 4 位に入る、かなりバッテリー持ちの良い端末です。
バッテリー残量67%から53分ほど原神でプレーしたところ、 残量は47% で、20%ぐらいの消費。
日時 | バッテリー残量 | |
---|---|---|
1日目:昼 | 開封して初期設定 | 50% |
1日目:夜 | 2時間の撮影(輝度Max) | |
2日目:朝 | 1時間の撮影(輝度Max) | 1% |
こちらは合計約3時間の撮影で49%くらいの消費でした。
体感的にもバッテリー持ちは、かなりいいと思います。
4K60fpsの長尺動画撮影
バッテリー残量47%から4K60fpsで長尺動画撮影のテストを行いました。
結果、1時間36分撮影して、バッテリーが 0%になって止まりました。
ファイル分割はなく、68GB。
残念ながら、今回は30W充電器の同梱がなくなり、その代わりといっては何ですが 、65WのHyper Chargeに対応しています。
ただし、65WのHyper Chargeは独自機構となっておりまして、ASUSが販売する65W充電器である下記2製品でないと65Wは出ないそうです。
(これらの充電器以外で充電した場合は、30W になるようです)
ASUSが販売する65W充電器が手元になかったため、他社の65W充電器で「Zenfone 11 Ultra」を計測しました。
充電中は25Wで推移していたので、おそらく公称値の通り最大30W程度で充電されていようかと思います。
「Zenfone 10 」のグラフは同梱されていた30Wの充電器とケーブルで計測した結果です。
それでも先代の「Zenfone 10 」よりだいぶ充電時間が速くなりました
今回、30Wでもこれぐらい速くなっているので、65Wだとさらに速まる可能性がありますね。
PDは3.0に対応、QCは5.0、ワイヤレス充電はQi1.3のバージョンで最大15Wで充電が可能です。
15WのQiワイヤレス充電に対応した充電器を使ってワイヤレス充電も計測してみました。
(充電器によってばらつきがあると思いますが、参考程度に見ていただけたらと思います)
ワイヤレス充電、4時間切っていますのでそこそこ速いほうだと思います
オンデバイスAIを試す
続いて、AI機能も試してみます。
AIノイズキャンセリング
実際の音は YouTubeで確認できます。
まずは 、通話中の環境ノイズを軽減してくれる機能、AIノイズキャンセリングです。
AIノイズキャンセリングをオンにして隣で掃除機をつけてみると、オフの時と比べてもノイズキャンセリングの効果はほとんど感じられませんでした。
ノイズキャンセリングはいまひとつ
AI文字起こし機能
続いて AI 文字起こし機能はレコーダーアプリを使います。
録音をスタート、文字起こしがオンになってます(ちなみにこれらAI 機能はベータ版の機能です)。
リアルタイムで文字起こしはされず、少し時間が経ってから文字起こしの結果が表示されます。
Google Pixelのように真にリアルタイム文字起こしではありませんが、そこそこの精度で、文字起こしできました。
オンデバイス AI機能のうち、2つを試しましたが、AI機能はベータ版ということもあり、これから磨いていく機能かなという印象です。
カメラ機能とカメラUI
先代のカメラはSONYのIMX766の5,000万画素のカメラでした。
今回は画素数・センサーサイズ・焦点距離・レンズの明るさは共通で、IMX890のカメラになりましたが、IMX766と比べてもそこまで大きな性能差はなさそうです。
大きな変化としては、望遠カメラが付いたこと。
センサーはOmniVisionのOV32Cという1/3.14センサー・焦点距離65.3mm※35mm換算、F値2.4、光学手ブレ補正もついています。
超広角は、先代とほぼ同じ。
インカメラは、画角が広くなり35mm換算22mmの焦点距離です。
カメラの機能はこちら
写真 | |
動画 | 下記表を参照 |
ポートレート動画 | NEW 4KとフルHDそれぞれ30フレームまで撮影可能 |
タイムラプス | |
スローモーション | |
ポートレート | |
パノラマ | |
ライトトレイル | |
その他 | PROモード・PROビデオ・夜景 |
望遠カメラ | |
---|---|
写真 | 0.7倍・1倍・2倍・3倍 最大デジタルズーム倍率30倍 |
超広角0.7倍・1倍・広角3倍 最大デジタルズーム倍率10倍 |
広角・超広角・望遠の3つのカメラで撮影できる解像度フレームレートの違いはこちらです
メインカメラは、8K24fpsで撮れますが、4K60fpsに関しては超広角・望遠に対応していないので、4K60fpsで撮影中のレンズの切り替えはできません。
4K30fpsであれば超広角が対応していますので、撮影中に超広角・広角の切り替えは可能です。
望遠は、1080pの60fpsまでになっており、撮影中に広角・超広角・望遠の切り替えができます。
カメラの作例(写真編)
広角・超広角に関しては、センサーに大きな変化はないので写りもそこまで大きな変化はないと思いますが、やはり3倍の光学ズームが使えるようになり、3倍、10倍はとても綺麗に撮れました。
最大倍率30倍まで寄れるようになった望遠カメラが一番大きい進化点だと思います
ただし20万円の他社ハイエンドと比べてしまうと望遠はやや劣ります
夜の作例 HyperClarity AIを活用
「Zenfone 10 」のアウトカメラは、広角と超広角の2眼カメラで、日中の撮影であれば、デジタルズーム最大倍率8倍でもそこそこ綺麗に撮れました。
ただ、夜の撮影になると、8倍ズームした時は少し物足りなさを感じていました
「Zenfone 11 Ultra」は、超広角も広角ももちろんこれまで通り綺麗に撮れますが、10倍、 30倍にズームした時にもHyperClarity AIを活用した綺麗なズームが使え、非常に綺麗です。
夜のズーム撮影が多かった人には、嬉しい進化です。
メインカメラのボケ味
メインカメラは1/1.56インチセンサー、IMX890とセンサーもそこそこ大きいので、被写体と背景の距離を少しとると、ポートレートモードを使わなくても、ボケ味を活かした撮影ができます。
かといって、1インチセンサーのように被写界深度が浅すぎて食事を撮った時に一部にしかピントが合ってないということもありません。
バランスが良くて、使いやすいカメラだと思います
超広角カメラの画角
次は超広角カメラ。先代は0.6 倍でしたが、「Zenfone 11 Ultra」は0.7倍になっています。
画角が少し狭くなっています。
他社のハイエンドと比較すると、(左上)「Zenfone 11 Ultra」のみ画角が狭く、画面左上のほうに写り込んでいる白いレンガは映っていません。
ただ、画角が狭い分、(左下)「Galaxy S 24 Ultra」 のような歪曲収差はほとんどありません。
ポートレートモードとギャラリーアプリ
ポートレートモードは、1倍と2倍から選択が可能。
画面下の絞りのマークをタップすると、F値が変えられ、f/0.95〜f/22の範囲で選択できます。
Zenfone はギャラリーアプリから、編集モードにすると、撮影後に絞りの調整やピント位置も簡単に変更できます。
今回も「Zenfone 10 」と同じく、人物撮影時の加工機能が使えます。小顔効果から始まり、目の大きさを変えたり、美白の度合いなど0 〜10のレンジで調整ができ、トーンも変更できます。盛ることができます。
インカメ
インカメの画角は2段階です。
複数人で撮る時は、画角が広くなってとても撮りやすくなりました
家族や友達とインカメを使って写真を撮ることが多い方には嬉しいポイント
この作例はストローの先端がボケてしまいましたが、インカメでポートレートモードも使えます。
ライトトレイル 超広角・広角・望遠
ライトトレイル機能は、超広角・広角・望遠の3つのカメラでどれでも使えます。
カメラの作例(動画編)
やはり、Zenfoneといえば動画の手ブレ補正が優秀ですよね。
手ぶれ補正は種類があり、“Adaptive”と“HyperSteady”があります。
実際の作例はYouTubeでご覧いただけます
手ぶれ補正のAdaptive
Adaptiveはリアルタイムでブレを検出し、ブレが少ない時はできるだけ画角を稼いで広く撮り、ブレが大きくなったときはよりクロップしてブレをしっかり押さえる機能です。
4K60fpsでもAdaptiveを使用することができます。
4K60fps Adaptiveで撮影。
手ぶれ補正が非常に優秀で、夜の撮影で手持ちで歩きながら撮っても着地の瞬間の不快な振動がほとんど入りません。
残念な点は、4K60fps撮影している時に超広角と望遠には切り替えができないこと。2024年に登場しているハイエンドはほとんど機種でできるのでちょっと残念です。
そして、もう一つ残念な点としては、フリッカーが入りやすいことです。
『ちらつき防止』の設定で、50Hz・60Hz・オートを選択できますが、いずれの場合も夜の撮影ではフリッカーが入るシーンが多かったです。
手ぶれ補正 HyperSteady
HyperSteadyは走ったり揺れが非常に大きい場面に適したモード。
FHD60fps以下の時に使用が可能です。
1080p60fps HyperSteadyで撮影。
先ほどのAdaptiveよりも、さらに手ぶれ補正が効いています。
ジンバルいらずっといった感じです
日中は風が強く、「Zenfone 10 」も風切り音の入り方が大きい印象でしたが、今年もあまり改善されていませんでした。
来年はぜひとも改善してほしいところです。
優秀だなと思ったのが、新しく追加されたポートレート動画です。
擬似的に背景をぼかして雰囲気のある動画が撮れる機能ですが、ボケがとても自然です。
さらに、ポートレート動画撮影中は、人物に四角い枠が表示され続け、ずっと追っかけ続けてくれます。
画角から飛び出すと四角は一旦消えますが、戻ってくるとまた復帰します。
トラッキング精度も高く、食いつきもいいので、とても重宝しそうですです。
【まとめ】ぱぱのひとりごと
「Zenfone 11 Ultra」、いかがだったでしょうか?
正直言うと、小さくてハイエンドなZenfoneがすごく好きだったので、画面が大きくなって、ちょっと個性がなくなっちゃったなぁと思っていました。
しかし、実際1 週間使ってみると、かなりバランスの取れた端末に仕上がっていると思いました。
ディスプレイもめちゃくちゃ見やすくなっていましたし、超ロングバッテリー。
素のAndroidの使いにくいところが、使いやすくカスタマイズされたZenUI。
カメラもむやみにセンサーを大きくするわけではなく、料理を撮るときなどは、被写界深度もちょうど良く使いやすいカメラです。
そして、なんといっても手ぶれ補正に強い動画撮影。
今回追加されたポートレート動画もオートフォーカスのトラッキング精度が非常に高くて、活躍すること間違いなしです。
AI機能は、ベータ版ということで、これから磨きがかかってくればいいのかなという感じがしました。
それではまた次の記事で会いましょう。バイバイ。
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